皆さんはnoteや文章を書く時に、 何をモチベーションにしているだろうか? 僕が詩を書いたり、音楽活動をする上で、 最も大切にしているのは「見えない読者」である。それは、「無自覚のファン」と言い換える事もできる。
例えば、ライブに行かなくても。 例えば、CDを買わなくても。 例えば、SNSに「イイネ」をつけなくても。 好きだと、密かに思っていて、 活動をチェックしてくれていたり、 noteやblogだけ読んでくれている人が。 気づかないだけで、どの表現者にも 絶対にいるはずだ。 それは天使の微笑みのように、 さりげなく、静かで、純真な好意だから、 透明の手で受け止めなくてはいけない。
昔「絵本」というバンドを組んでいた、 M君という友人に対して。 「どんな人に音楽を聴いてもらいたい?」 と質問したことがある、すると 「勇気がなくてライブにも来れないような 男の子に歌いたいです」と彼は答えた。 その回答は僕をずいぶん満足させてくれた。 勇気がない男の子って、案外多いんだ。
逆説としてマツコ・デラックスが言うように、 「文化的な物にお金を出すのは女性だ。 だから文化を成長させているのは女性。」 という意見も正しいとは思うんだけど、 僕はM君の答えを聞いてからは自分も、 見えないファンに届く表現をしたいなって、 ずっと考えている。 だから書くことを諦められない。
「見えない読者」の次に大事にしているもの それは速度である。
「書くことは速度でしかなかった、 追い抜かれたものだけが紙の上に存在した。」
By寺山修司
言葉とは花や果物のように生きてるし、 頭の中に置いておくと錆びついてしまう。 鮮度は速度でしか生めないと思う。 考える前に、ペンが動いてる時があって、 そうゆうときは良い詩が書けている。 そんな気がする。
17歳という若さで感電死(エレキギターを抱いて)した。 山田かまちという詩人が書いた詩で、 「書け!役に立つんだ」という一行がある。 僕はその言葉をずっと信じてる。 誰がその神聖な領域を踏みにじれるだろうか。 書き続けることが自分を生かしてる。 そう思うときも少なくはない。
僕の書いたもの、歌にしたものが、 遠回りでも、誰かの背中を押したり、 支えたりするものになればいいなあと、 心から願っている。
最後に僕が詩を書きあぐねている時に、 文筆家の先輩に言われた助言を 残して締めくくりたいと思う。
「詩を書く上では、何を書くかではなく、 何を書かないかが肝心なようです。」
笠原メイ(2019/12/18)