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  • 執筆者の写真笠原メイ

【ビートルズが苦手な理由】

更新日:2020年3月28日

恥ずかしながら、長年、音楽活動に身を投じてきたのにも関わらず。ビートルズの音楽が大の苦手だ。定期的にCDを買い集めたり、歌詞集を読んだり、インタビュー本を読んだり、好きになろうと努力した。しかしビートルズの持つ、あのビートルズらしさが、妙に鼻につき、壁になる。聴いてると、なんだか、ビートルズすぎるなぁコレ、アハハ。とか照れてしまうのだ。


ジョンレノンの怪しいキャラクター 。オノヨーコと共にした、ヘンテコな行動や芸術活動などは好感が持てる。だが、音楽の良さは理解できない。小学校の授業でレリビーとか強制的に歌わされた影響とかあるのかしらん?図書室に並ぶビートルズ歌詞集も、うさんくさいと蔑視していた(もちろんローリング・ストーンズの歌詞集は置かれていなかった) 


初期のマージービートはまだ理解できる。BBCセッションズのライブ音源とか良い。でも「後期」になってからの変貌ぶり、ロックンロールを芸術化したような感じ、いまひとつ分からない。コンセプトを聞いても…うーん。


そしてビートルズ好きな人達は遠い目で陶酔して「普通の音楽とは別格」みたいな雰囲気を醸し出して語る。イヤぁ、他の音楽とそんなに変わらないと思うけど・・・。「普通のポップスに聴こえる」と正直に言ってしまうと罪なような気がして。うんうんと彼らの話に頷いておく。 タブーを感じる。ビートルズを嫌いと言ってはいけない風潮が界隈にある気がする。


たまに喫茶店やレストランのBGMで、なんとなくビートルズが流れてる時がある。その、なんとなくさ加減が、また気になる。駄目だ。また、なんとなく流れていらっしゃる!と眉をひそめる私と小鳥。


ドラッグを有効に用いて制作された音楽。確かにそれは聴いてて分かる。インドの楽器を使ったり。でも、それってすごいことなのか? 私の肌には感じられない。ロケーションとして、例えば、山奥で焚き火を囲み、大麻でも吸引しつつ聴いたりすれば、結構イメージが変わると思う(或いは、好きになるかもしれない)でも普段の生活の中で聴くと、そっちはバキバキにキメてても、こっちは素面だし。The生活感、と冷める。私は音楽だけで飛べない体質なのだろうか。


でも分からないより、分かる方がいい。だってあのビートルズなんだぜ?という期待値が高いのかも。ハードルの問題だ。


だけど私はこう考える。40歳になっても、50歳になっても、60歳になっても、ビートルズの音楽は年をとらずに。そのままの姿で鳴るから(そこが音楽の素敵な所だ)音楽は変わらない、変わるのは多分、私の方なのだ。だからたまにビートルズのCDを部屋に流してみようと思う。ホワイトアルバムとか。こんな冬の日に、背伸びをして窓を覗く子供のように、わかんないな、と首を捻って過ごそう。


いつか分かるさ。

その時、世界がちょっぴりだけ。

変わる気がする。


笠原メイ




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